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自社ローンはやめた方がいい?メリットとデメリット






自社ローンはやめた方がいい?リスクとメリットを徹底解説


1. はじめに

車は日々の移動に欠かせない存在であり、誰でも手軽に手に入れたいと考えるものです。しかし、銀行ローンやディーラーローンの審査に落ちてしまう場合、選択肢として浮上するのが「自社ローン」です。特に信用情報に不安がある方や、非正規雇用で働いている方などにとって、自社ローンは注目される購入方法となっています

ですが「やめた方がいい」という意見もあるのが実情です。その背景には、総支払額が高くなりがちなことや、返済滞納時のリスクなどが挙げられます。この記事では、そんな自社ローンの仕組みやメリット・デメリットを、わかりやすく解説します

自社ローンに興味をお持ちの方が、信頼できる販売店や妥当な支払い条件を見極めるための判断材料としてご活用いただければ幸いです。記事の最後には、自社ローンを利用する際に必ず押さえておきたいチェックポイントもまとめています。ぜひ参考にしてみてください。

2. 自社ローンとは何か?

自社ローンとは、中古車販売店などが独自に設けた基準によって、購入希望者と直接分割払いの契約を結ぶ仕組みです。通常のローン審査では信用情報機関経由で詳しくチェックされるところ、自社ローンでは販売店自身が申込者の現在の収入や支払い能力を見極めることが多いです。

2.1. 自社ローンの基本的な仕組み

一般的にローン契約をするときは、信販会社や銀行が間に入り、購入者に融資を行います。一方で自社ローンでは、車を販売するお店が直接ローンに関する審査や分割払いの契約を実施します。そのため、銀行や信販会社に信用情報を照会しないケースがあり、支払い遅延の履歴や非正規雇用などが理由で他ローンの審査に落ちてしまった方でも利用しやすいです。

しかし、金利がないからお得に見える反面、手数料が車両価格に上乗せされることも少なくありません。結果的に月々の支払いが高額になりやすい点には注意が必要です。

また、自社ローンは中古車の取り扱いが中心で、新車に対応していないケースが大半です。さらに契約期間や利用できる販売店が限定される場合も多いため、慎重に検討する必要があります。

2.2. 他のローンとの違い

銀行やディーラーのマイカーローンは、金利は発生するものの、長期返済で月々の支払を抑えたり、新車を選べるといった利点があります。一方、自社ローンはそもそも金融商品ではなく、販売店独自の分割払いサービスという位置付けです。よって信用情報に問題がある人でも利用しやすい点が大きな特徴です。

ただ、分割回数が12~36回程度と短めに設定されがちなため、ひと月あたりの返済額が高額になりやすいです。また、車を担保として差し押さえやGPSの取り付けが行われることもあり、返済が滞ると車を引き上げられるリスクが高いといえます。

このように自社ローンは”すぐに車を手に入れたいけれど、他のローンでは審査が厳しい”といった方向けの購入手段ですが、利用前には必ずメリットとデメリットを理解することが求められます。

3. 自社ローンのデメリット

自社ローンにはいくつかのリスクが存在し、慎重に検討しないと”毎月の返済が厳しい”といった困った状況に陥る場合があります。

3.1. 高い総支払額とその理由

自社ローンでは金利自体はかからないため、お得なイメージを持たれがちです。しかし、実際には手数料が上乗せされ、結果として総支払額が高くなるケースが多々あります

特に販売店によっては、車両価格や手数料の内訳が不透明な場合もあり、実際に支払う総額は一般的なカーローンよりかなり高額になる可能性があります。予想外の追加費用を請求されないよう、見積もり段階でしっかり確認することが大切です。

また、支払い期間が短い分、1回あたりの返済額も高くなりがちです。月々の負担が大きいと、家計を圧迫するので要注意です。

3.2. 限られた選択肢:車種と販売店

自社ローンを扱う販売店はそれほど多くありません。中古車を専門に取り扱うお店がほとんどです。

また、借入限度額が低めに設定されていることも多いので、高額な車や人気の車などは購入自体が難しくなる場合があります。さらに流通台数の多い軽自動車や古い年式の車が中心となり、そもそも欲しい車が見つからない可能性もあるでしょう。

このように選択肢が狭まる点は、自社ローンの大きなデメリットの一つです。販売店の在庫や対応エリアを事前に確認し、条件に合った車があるかどうかを見極めることが重要です。

3.3. 車の所有権とその影響

自社ローンでは支払い期間中の所有権が販売店に留保される契約形態がほとんどです。

そのため、返済が終わるまで勝手に車を売ったり、乗り換えたりできません。もし滞納が重なると、所有権を持つ販売店側が車を差し押さえることも容易で、最悪の場合、車を失ってしまう危険があります。

また、所有権が移転していない車の改造や大幅な修理は基本的に認めてもらえない場合が多いので、カスタマイズしたい人にとっては大きなデメリットとなります。

3.4. 返済の厳しさとそのリスク

自社ローンは返済回数が短いことが多く、月々の負担額が大きくなりがちです。無理な返済計画を立ててしまうと、支払い滞納に至り、素早く車の差し押さえに発展する可能性があります

加えて、車両にGPSを装着されたり、遠隔でエンジンを止められる装置を付けられたりするケースも珍しくありません。万が一、支払が厳しくなってきたら早めに販売店へ相談し、返済条件の変更や繰り上げ返済など、具体的な対策を一緒に検討することが重要です。

4. 自社ローンのメリット

デメリットを多く挙げましたが、自社ローンにはメリットとなる側面もあります。特に、信用情報に傷がついていて一般ローンを利用しにくい人にとって、見逃せない利点が存在します

4.1. 審査の手軽さと速さ

一般的なマイカーローンでは、申込から審査結果が出るまで数日から数週間かかることがあります。さらに審査のハードルも高く、収入や雇用形態、信用情報の履歴などに問題があると落ちてしまうケースが多いです。

一方、自社ローンでは、販売店が直接書類審査や面談を行い、現在の収入状況を重視することが一般的です。そのため、申込みから契約成立までスムーズに進むケースがあり、急いで車が必要な人にとって大きな魅力といえます。

必要書類の種類も少ない傾向があり、場合によっては数週間で納車手続きまで済むというスピード感も特徴の一つです。

4.2. 金利が発生しないメリット

自社ローンは、法律上「金銭の貸付け」ではなく「車両代金の分割払い」という形をとっているため、名目上は金利がつきません。月々の支払額は、基本的には車両価格や諸費用を分割回数で割った合計となるため、計算がシンプルでわかりやすいです。

マイカーローンでは金利が大きな負担になることがありますが、自社ローンではその点の心配が少ないのは確かです。ただし、その代わり手数料や初期費用が高めに設定される場合がほとんどなので、実際の総費用を細かく比較することが大切です。

4.3. 信用情報の問題を気にせず申し込める

自社ローンでは、過去の支払い事故や多重債務をあまり重視しない販売店が多く存在します。これは、本人の月々の収入や勤務先を見極めることで、返済能力を判断しているからです。

過去に自己破産を経験している方や、クレジットカードの延滞で厳しい評価を受けている方でも、自社ローンなら申し込みが可能なケースがあります。そのため、どうしても車が必要だが他のローンで諦めていたという方にとって、大きな救いになるでしょう。

もちろん、どの販売店でも必ず通るわけではありませんが、一般的なカーローンに比べると敷居が低い点は間違いありません。

5. 自社ローンが適している人

ここまでのメリットやデメリットを踏まえると、どんな方が自社ローンを利用するとメリットを最大限に生かせるのか、逆に気を付けるべきなのかが見えてきます。

5.1. 急ぎで車が必要な人

仕事や家庭の事情などで、一刻も早く車が必要な方にとって、自社ローンのスピーディな手続きは魅力的です。銀行ローンのように時間をかけて審査が行われない分、数週間での納車に対応している店舗もあります。

ただし、早さ重視で安易に契約すると、契約後に「月々の支払いが高くて続けられない」という事態に陥ることもあります。どれだけ早く車を手に入れたいかと同時に、返済プランをしっかり確認することが大切です。

また、途中で返済が滞らないよう、収支の見通しについて家族と話し合うことも重要なポイントとなります。

5.2. 他のローンで断られた人

過去のローン延滞やカード事故歴などがある方は、一般的なカーローンで審査落ちするリスクが高まります。しかし自社ローンでは、そうした信用履歴が直接作用しない販売店が多いため、審査に通る可能性があります

また、多重債務や非正規雇用の方でも「現在の収入が安定していればOK」という店舗を探せば、車を購入できる道が開けるかもしれません。ただし、過去に大きな金融事故がある方は、契約条件が厳しくなる場合もあるので、事前にきちんと相談し、理解しておくことが必要です。

さらに、確実に返済していけるかどうか、生活全体の支出をシミュレーションしてから進めることが賢明でしょう。

5.3. 信用情報に問題がある人

破産経験や長期延滞などによって信用情報が傷ついている場合、銀行が提供するカーローン審査は極めて難しくなります。その点、自社ローンは信用情報機関への照会を行わず、現在の働き方や収入面で審査されることが多いです。

そのため、過去の借金トラブルが原因で他のローンが利用できない人でも、自社ローンなら利用できる可能性が高いのです。特に、交通の便が悪い地域で暮らしていたり、保育園や通院など、日常に車が欠かせない場合には頼れる選択肢といえます。

もっとも、返済を継続できなければ車を差し押さえられる危険がある点を忘れないようにし、返済プランを慎重に計画することが大切です。

6. 自社ローンの注意点と避けるべきケース

魅力がある一方で、自社ローンには注意を要する点が多々あります。特に初めて利用する方は、費用面や車両の状態などをよく確認することが大切です。

6.1. 不透明な費用とその詳細

自社ローンでは販売店ごとに独自の手数料や諸費用が設定されており、見積もりを見ただけでは内訳が明確でない場合があります。例えば、保証人を立てられなければ保証会社の利用料が加算されたり、頭金の支払いが必須だったりすることがあるのです。

不明点があれば遠慮なく営業担当者に質問し、総支払額がいくらになるかを事前に確認してください。また、利息がゼロでも結果的にトータルで高くなるケースがあるので、他社のローンやカーリースなどと比較しながら検討すると良いでしょう。

なお、販売店が違法に金利を課すようなケースもごく稀に報告されているため、契約内容をよく読み、疑問があれば消費生活センターに相談することも考慮しましょう。

6.2. 車の状態と価格の相場

特に中古車の場合、年式や走行距離、修復歴などによって価格が大きく変わります。中には相場より異常に高額な設定をしている販売店もあれば、安すぎて逆に不安になるケースもあります

車両価格が安い分、手数料を多めに上乗せしているパターンもあるため、総支払い額が相場を大幅に上回っていないかチェックすることが重要です。ほとんどの販売店が在庫情報をネット上に公開しているので、複数の店舗を比べて相場感をつかんでおくと安心です。

納車後すぐに故障して修理費がかさむ場合もあるため、事前に整備状況や保証プランを確認し、できれば試乗してみることをおすすめします。

6.3. 返済が困難になった場合の対処法

万が一、途中で返済が難しくなった場合、早めに販売店へ事情を伝えましょう。店舗によっては、返済スケジュールの見直しや一部繰上げ返済など柔軟に対応してくれるところもあります。

一方で、まったく相談せずに滞納を続けると、車へのGPS装着などにより差し押さえが即時に行われる可能性があります。そして、差し押さえ時の車のダメージ状態によっては修理費を請求され、家計への打撃をさらに大きくする恐れもあります。

もしどうしても返済のめどが立たなくなったら、法律相談や自治体の相談窓口などを活用し、状況を改善する道を探ることも検討しましょう。

8. まとめ:自社ローンを利用する際の最終チェックポイント

自社ローンは、信用情報に不安のある方や、すぐに車が必要な方にとって、魅力的な選択肢ではあります。しかし、短期返済による月々の負担増や、所有権が販売店に留保されるリスクにも十分気を配らなくてはいけません。

契約直前には、以下のポイントを最終チェックしてください。

最終チェックポイント

1)販売店の信頼性:口コミ、アフターサービス、保証内容をよく調べる。

2)総支払額の把握:金利はないが、手数料や保証料などがどれだけ上乗せされているか確認する。

3)契約期間と支払い計画:分割回数や月々の返済額を家計に無理のない水準に設定する。

4)所有権や車の状態:万が一の差し押さえリスクだけでなく、車両品質にも要注意。

5)他の選択肢との比較:通常のカーローンやカーリースなど、総合的に検討したうえで判断する。

これらを押さえれば、失敗やトラブルを最小限に抑えやすくなります。自社ローンは「即納車」「信用情報を気にしない」といった大きなメリットがある一方で、返済リスクが高いことを理解し、慎重なスタンスで利用を判断しましょう。自分のライフスタイルや家計状況に合った方法を選べば、車を安心して使い続けることができるはずです。